お囃子のこと
屋台が屋台蔵から曳き出され、ゆらゆらと揺れながら所定の位置まで動くとき、屋台の中ではお囃子が奏されます。
お囃子は笛、太鼓、締太鼓とすり鉦等で演奏されますが、昭和30年代に屋台組の中の人手不足とテープレコーダーが流行ったことにより、テープに録音されて流されるようになったのです。そうするうちに、お囃子自体の練習や引き継ぎがなくなって、現在、生演奏するのは23台中、6台のみとなりました。
文政年間の古文書の祭礼規定では、屋台に警固の人とお囃子がいなかったら出台を認めない、と書いてあるほど屋台になくてはならなぬものであったのに!!
そこで、演奏できる人が少なくなったことに危機感をもって、昨年から後継者を育てる伝承活動が始まりました。
秋祭りのからくりの屋台、布袋台でも、この春から子供たちを集めてお囃子の練習をしています。しかし、組の中でお囃子の演奏をできる人がいないので、いつも生演奏で祭りにでる隣の屋台、鳩峯車台から先生として来てもらっての練習です。
屋台組の中の人材で、演奏しようと声をかけて集まったのは、女の子6人、男の子が1人でした。最初は全然音が出なかったのに、いつのまにか「道行き」「高い山」の両方を吹けるようになりました。先日は、屋台に乗って実際に演奏してみる経験も済ませ、祭り本番に向かって練習を重ねています。
さて、各屋台はお囃子を2種類ずつ演奏いたします。お囃子には、目的地に行くときのものと屋台蔵へ帰るときのものとがあるのです。往き道の唄は、それぞれの屋台によって違いますが、主なものは秋祭りの屋台の1つ、大八台によって作られたという「大八曲」と、その唄を崩した他の屋台の「大八崩し」「道行き」、雅楽の管弦から出た「越天楽」、「陵王の曲」等があります。
そして、屋台曳行の途中、順道場と呼ばれる場所を通過するとき、宮本、年行司の指示により曳き別れ(屋台蔵へ帰ること)になったら曲が変わって、今度はほとんどの屋台が「高い山」というお囃子の演奏となるのです。「高い山」は、自分の屋台蔵へ帰るときの曲で、囃子に合わせて子供たちや大人が祭りの終わりを惜しんで歌う哀詞のある調べです。
私はこの「高い山」が高山の祭りの屋台の唄として、最も有名であり高山の独特な物だと長い間思ってきました。
ところがこの唄は、全国的に存在しており、宝暦(1751年〜)頃の流行の唄であったそうです。他の地方では、子守歌や祝い唄として歌われていたとのこと。
しかし、その曲調は高山だけに存在し、歌い継がれてきたのだそうです。本当はテープを同封して皆様に聞いていただきたいのですが、それは将来のお楽しみとして、まずその歌詞をご紹介いたしましょう。
♪♪♪ 高い山 ♪♪♪
@たーかい やーあまーあ かーらあのたにそーおおこみーれーばよー
うりや なーすーびーいいの はなざーあかーあり
あれも よーい よいよいよい
これも よーい よいよいよい
Aあーのかぁ よおーいーこーじゃあが ぼたもーおおちがーおおおでー
きーなこ つーうけーえたーぁああら なおよーぉかーあろな
あれも よーい よいよいよい
これも よーい よいよいよい
高い山から、谷底見れば
瓜やなすびの花ざかり
あれもよいよいよいよい
これもよいよいよいよい
あの娘よい娘じゃぼた餅顔で
きな粉つけたらなお良かろ
あれもよいよいよいよい
これもよいよいよいよい |