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飛騨高山本陣平野屋 ブログ「飛騨高山から」

 平成14年秋 ―

ひとなつの体験  ハートの食前酒  デンバー顛末記
日本まん真ん中 岐阜  飛騨高山ミニツアーのご報告  冬の行事

ひとなつの体験
 地元の新聞「岐阜新聞」の中に、素描というエッセイ欄があります。県内版なのですが、地元の方が交代で、いろんなお話を書いていらしゃいます。2ヶ月交代でのその欄に書いてみないかというお話をいただきました。私の担当は7月8月の2ヶ月間、毎週日曜日とのことだったので、ひごろご無沙汰している方へのご挨拶がわりにと、軽く引き受けたのでした。
 原稿は月曜日が締め切りで、その週末の日曜日に掲載とのこと、660字くらいのことだから、原稿用紙1枚半で、簡単簡単。なんて、のんきに構えていました。ところが、知人に話したら、1週間なんてあっという間だから、原稿を早く作っておいたほうがいいよといわれました。それで6月の末ころから書きはじめたのですが、これが難しい。だれが読むかもわからないのと、660字という字数が短くて、まとめる力がいるのです。岐阜新聞からいただいた原稿用紙は、わら半紙でできていて、それに向かってうなっているあたりは、さながら「作家もどき」でした。
 こんなに大変だなんて、だれも教えてくれなかったといったら、普通は言わなくても大変だとわかりそうなものだけど、と、岐阜新聞さんに笑われてしまいました。・・・さすが私です。
 なんでもイエスと言ってから考えるのです。・・・・・・。

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ハートの食前酒

 「食前酒でございます。」
 夕食時、手元に置かれた器を見て、お客様から「わぁ〜」と声が上がる。お客様が見つめる食前酒の器。どうということのない白磁のリキュールグラスだが、注いだ飲み物がハート型に浮き出るように作られている。
 若いカップルはもちろん、結婚記念日の旅行を楽しまれるご夫婦などにもロマンティックなひと時を演出。「ハートなんて、恥ずかしいね。」なんておっしゃるけれども、みなさんまんざらでもない様子。また女性のグループ旅行の盛り上げにも確実に一役買ってくれている。眺めたり、覗き込んだりして乾杯ということになる。そして座も大いに沸いて、夕食が一段と楽しくなる。
 今年新しく購入した食前酒の器は、そんな宿の夕食にさりげない話題を提供、演出は成功したようである。
 お客様のだびの一夜を預かる大事な仕事の1つとして、旅の雰囲気づくりがある。旅館での時間を気分良くすごしていただくことはもちろんだが、何か話題性のあることをお客様にご用意できたら、そこに楽しさがプラスされる。やはり「旅は、楽しくなくちゃ。」と思う。
 町の中の何も変哲のない旅館だからこそ、お客様がご滞在中、少しでも楽しく過ごしていただけるように、小道具たちをあちこちにちりばめたいと思う。旅館作りは、お客様の思い出づくり。そんな思いをこめて、食前酒の器のような「小さなキラリさがし」に心が躍らされる。

岐阜新聞 素描 7月28日掲載より

◎余談◎
 このハートの食前酒は個人の方にお出ししております。器のどのラインまで、お酒を注ぐと、きれいなハート型に浮き出るかが、もっか客室係の研究課題のひとつです。また、くっきり浮かび上がるように、なるべく色の濃いお酒を使うようにしています。夏にはグレープフルーツワインにしました。(味もおいしかったです。)この秋号が出る頃には、山ぶどう酒になる予定です。

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デンバー顛末記

 飛騨高山は、アメリカコロラド州デンバー市と姉妹都市提携を結んでいます。たくさんの交流のある中で、高山デンバー協会主催の高校生デンバー訪問は、大きな行事の1つといっていいでしょう。15名ほどの訪問団の一員として、昨年は、うちの息子もデンバーへお邪魔したのでした。
 現地では、1週間のホームステイを経験。ホストファミリーに、大変お世話になったのでした。毎日デンバーの行事に参加したり、観光したり、そして、あちらの友好協会の方々との交流をし、とても思いで深い日々をすごしたのでした。後の1週間は、ワシントンへ行ったり、カナダのナイアガラの滝等、各地の観光を楽しんだようでした。帰途には予約してあった飛行機の席の番号が、実際にはなかったというハプニングまであり、日本の中で、しかもこの飛騨という土地で育った彼にとっては、世の中どんなこともあるさという、またとない体験になったようでした。
 帰国後、デンバーへ行って、何が良かったの?と聞くと、今まで気づかなかった自分がみえたこと、英語嫌いが直ったことだと笑っていました。なにしろ、帰ってきてからは、辞書片手にメールのやり取りをしていましたから、びっくりでした。
 1年がたつのは早いもので、今年はデンバーからの高校生訪問団が来る番でした。20名ほどの訪問団は東京見物、広島観光をした後、高山に来て1週間のホームステイをすることになり、高山デンバー協会は、受け入れ先を探している旨の通知が来たのです。我が家でも昨年、息子がどんなにお世話になったかと思い、引き受けることにしました。
 期間は7月25日から31日まで。夏休み期間に入っているので、旅館はもっとも忙しい時期に入っていますが、まぁどうにかなるだろうといつもの調子で申し込みました。しかしはじめに家族で話題になったのは、英会話力でなく、家の中の大掃除をしなければならないという真剣かつ大笑いの現実だったのです。
 さていよいよその日がやってきました。朝、部活動へ行く前に、娘たちも「ナイス チュウ ミート ユウ」の練習をしています。こんなに落ちつかないと、これから先どうなるのだろうかと、心配になってきました。
 夕方、市役所へ迎えに行った主人と息子が旅館に寄ってくれました。握手で挨拶した彼の名は、ジョセフ・ポール・タバノ君、15歳。
 その夜、家族全員が揃ったところで、自己紹介となったのですが、それから先の話が始まりません。緊張感と沈黙が流れ、いきなり息子が立ち上がって、「トランプやろう」といったときには、一同なぜかやけに大声で賛成していました。きっと息子はそうやって、昨年アメリカの夜を過ごしたのだろうと内心思いつつ、大トランプ大会が始まったのでした。平日は、朝8時半までに市役所へ送ると、彼らは協会主催の行事を1日こなし、私たちは夕方5時半に迎えに行くという日課でした。結構ハードスケジュールのようでしたが、3日目くらいの晩に、ジョセフの大好きな抹茶アイスをみなで食べていると、彼が子供たちに「せっせっせのよいよいよい」という歌を教えてくれといいました。小学生との交流で習ったようです。カタカナが読めるので、娘が歌詞と音符を紙に書きました。そしてその日は、手遊び大会になったのです。想像してみてください。もうほとんど大人に近い人たちが、お互いの手を合わせては、歌っている姿。しかしもうこうなると、ジョセフの喜ぶ姿が見たいばっかりにというやつです。予想通り彼は喜び、歌詞を書いた紙を大事そうにしまって、帰ったらみんなに教えるといって笑ってくれました。
 そして週末、土日はホストファミリーと過ごすことになっていて、彼にどこに行きたいかと聞くと、買物に行きたいというのです。服を買いたいというので、ジーンズショップへ連れて行きました。しかしそこにはないというのです。どんな服なのだと聞くと、ビッグパンツといいます。私と息子はちんぷんかんぷんで、首をひねりながら、何のことだろうと思いめぐらし、そのパンツをどこでみたの?と聞いてみました。うちで見たというのです。へ?そして「あっ、わかった!!」
 自宅の前にはちょうど工事しているうちの別店舗があります。その工事に来ている方たちがたくさんいます。その方たちは・・・そうだ!ニッカーボッカーをはいている。さっそく作業着専門店へ行ってみました。すると、彼ジョセフ君は、声を上げて喜び、これだ、これだと言いました。ズボンを選んで、そして今度はブーツ。ブーツといえば、もうわかります。「地下足袋」すべてそろえて、彼はご満悦。もうるんるんです。最後に息子が使っている炭入りの洗顔ソープを買いに、薬局へ行ってその日の買物ツアーは終わったのでした。彼の目の付け所が、おかしいやら楽しいやらそして、彼の満足げな顔を見ると、こちらもうれしくなり、ジョセフ君との距離が急に短くなった気がいたしました。言葉がペラペラ通じたら、こんなふうに大げさなリアクションで、大騒ぎにはならなかったでしょう。お互いに、自分の気持ちを伝えようと必死になり、その結果として、得たものだから、なんだかとても大事な大仕事を終えたように感じたのです。
 こんな風に、毎日何かかにかで、てんやわんやがあり、1週間はあっという間に過ぎていきました。出発の日、彼は買ったばかりのあのニッカーボッカー姿に、地下足袋、Tシャツも黒で、胸に、「禅」の文字が浮き出ています。雰囲気が良くあっているので、2度目のびっくりです。出発を見送る駅で、協会のかたがた、一緒に来た訪問団のメンバー、みなさんの話題の的になったことはいうまでもありません。
 今、振り返ってみれば、ホストファミリーとして、あれもしてやりたかった、これも足りなかったと思うばかりですが、ジョセフ君が家にいたことで、なんとなく毎晩家族が居間に集まり、ジョセフ君と、コミュニケーションをとろうとしました。それは私にとって、とっても幸せな時間でした。つきっきりで、彼の世話をしたうちの長男は、結構英語も話していたので、家族中に見直され、株を上げました。そして1週間サボっていた受験勉強を再開したのでした。

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日本まん真ん中 岐阜

 飛騨高山は知っているけど、岐阜県高山市は知らないという方のために・・・。(以前、「高山は、長野県か」と聞かれたときには、ショックでしたねぇ。)
 岐阜県は、北部の飛騨地方と、南部の美濃地方があります。県庁所在地は、鵜飼や、岐阜城で有名な岐阜市です。さて、私は、これまであまり岐阜の話をしたことがなかったのですが、今回はとても素敵なものを見つけたので、ご案内をいたします。
 岐阜市はアパレル業界が、とても盛んです。その中で、匠ネット岐阜というグループの方が、「スタンドカラーシャツ」を作りました。シャツは丸襟のスタントカラーで、襟と袖口が白いふちになっています。男女兼用で、色や柄など合わせて12種類あります。価格は、無地タイプが5000円、ストライプタイプが6000円、胸ポケットには、別料金300円で、刺繍も入れてくれます。
 ・「日本まんなか楽園 岐阜」
 ・「姫街道」(中山道のこと・皇女和宮輿入れに使った道ということからその名がついている。)のロゴ
 ・ワールドデザイン岐阜のロゴ
以上3種類。その場ですぐできるそうです。
 ちなみに私が持っているのは、ピンクのストライプで、日本まんなかのロゴ入りです。販売は、岐阜駅の「アクティブG3階・匠工房 ピッタリ工房タケオ」とのこと。岐阜へ行かれたら、ぜひ一度お店をのぞいてくださいね。すごくきれいなデザインです。

  「ピッタリ工房タケオ」 058-265-9228


本年初 飛騨高山ミニツアー 楽しかったですよ!

 本陣平野屋が、今年始めて計画したのが、「飛騨びとを訪ねて」のミニツアー。飛騨高山が好きで、何度もお越しくださる方に、飛騨らしく、うちの宿らしく、そして私らしい何か思い出に残る出来事をプレゼントしたい。普通の観光では行かないところや、会えない飛騨びとの話を聞いてもらおうと、宿泊された方の中から希望者を案内いたしました。詳細は、夏号での案内の通りです。
 初日は、高山市に近い丹生川村千光寺へご案内しました。住職の話を聞き、用意してくださったオリジナルのプログラムを体験した帰り道に、みな様から「心がスーッとした。」口々に言われ随行した私もほっとひといき。
 2日目、3日目と行い、4日目は、飛騨の里の中の、前田家で、ボランティアガイドとしてご活躍の種蔵泰一先生から、飛騨の民話を聞きました。いろり端で聞く飛騨弁の温かさ、文字通り種蔵先生のお人柄に触れた気がし、2時間があっという間でした。中には4泊して毎日ツアーに参加してくださった方もあり、たくさんの方たちが、「来年もまた企画してね。」と、声をかけてくださいました。初めてのことで、本当に不安でしたが、お客様に飛騨のいろんな顔をみていただくことができました。

◎余談◎
 「飛騨びとを訪ねて」ミニツアーは、夏号にてお知らせしたものです。
 毎日10名様から20名様のお客様に参加していただき、時にはうれしい悲鳴を上げたこともありました。「こんな企画を待ってたのよ」という方がたくさんいらっしゃって、私たちも初めてのことながら、楽しくお客様をご案内できました。
 この冬も、また、「飛騨びとの語ろまいか(語ろうじゃないか)会」を開催したいと思っています。ぜひぜひご参加くださいませ。詳しい日程は、冬号にてお知らせいたします。お目にかかれることを楽しみにしています。


飛騨高山 秋の行事予定

・2002飛騨・高山 暮らしと家具の祭典 9月4日(水)〜8日(日)
 場所:飛騨高山ビッグアリーナ
・我楽多市 9月7日(土)
 場所:さんまち通り(平野屋から徒歩1分)
・飛騨の味まつり 9月7日(土)〜8日(日)
 場所:本町通り〜うちの前
・ギャラリーのまち飛騨高山

10月1日(火)〜
 場所:市内各商店街

・木工からくり展 10月6日(日)〜8日(火)
 全国から公募
・我楽多市 10月7日(月)
 場所:さんまち通り(平野屋から徒歩1分)
・秋の高山祭り 10月9日(水)〜10日(木)
 場所:桜山八幡宮
 ご存知秋のメインイベント!
・飛騨の里ライトアップ 10月25日(金)
 場所:飛騨の里
・布袋台からくり実演 10月26日(土)〜27日(日)
 八幡宮表参道に新しい橋がかかりました。「宮前橋」です。そのお祝いに、からくり特別奉納です。
・飛騨の伝統芸能 10月27日(日)
 場所:桜山八幡宮
・飛騨高山産業まつり 11月2日(土)〜4日(月・祭)
 場所:飛騨高山ビッグアリーナ
・「さくら」さんとその母親10組高山へご招待 11月9日(土)〜10日(日)
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平成14年秋

飛騨高山の宿 本陣 平野屋 花兆庵 〒506-0011 岐阜県高山市本町1丁目34番 TEL.0577-34-1234
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