飛騨の方言 飛騨に住む私たちが、日常に、話していることば、アクセントを総称して「飛騨弁」といいます。 飛騨地方の中でも、高山、神岡、古川、南飛騨と、それぞれ地区によって微妙にイントネーションなどがちがいますので、「あの人は、古川の人やなぁ」とか、「あれは益田弁(下呂あたり)や」と、わかります。 そのなまりは、関西風とも言われ、また、東北弁のようだとも言われます。私たち飛騨人は、飛騨人どおしで話す時、早口で、「飛騨弁丸出し」ですから、皆さんに聞かせるとぜんぜん理解できない会話らしいですねぇ。 さて、言葉とは別のなまりのひとつに、「え」の発音が「ゑ」になったり、「い」になったりすることがあります。 私の名前を、祖母が呼ぶ時、「ゑりこ」だったわけです。それが、いやでいやで、子供の私は、呼び方が違うと、よく祖母に、抗議したものでした。 また、言葉の語尾に、「ナ」がつくことも特徴です。そして、「ナ」のおかげで、早口の飛騨弁がやわらかく聞こえるらしいのですが。 『そんでな、あのな、朝市のな、林檎がうめえんやと』 そして、「ん」がつくこともあります。 『まんだ、こんよ』・・・まだ、来ない 『きんのう、きたさ』・・・昨日、きた こんな感じです・・・。 地方の人は、都会へ出ると一生懸命「東京弁」を話そうとしますよね。 飛騨の人は、とりあえず、語尾に「ナ」をやめて「サー」をつけることから始めるのですが、どうみても、イントネーションが変なのです。 ・・・・・・笑えます。・・・・・・ いや、笑ってはいけない、かつての私がそうだったように、田舎から出て行ったら、都会の人に田舎者だと思われたくないのです。都会の人に笑われたくない・・・その気持ちは、涙ぐましいものがあります。地方出身者だったら、きっとわかるその心情・・・。 ああ、なつかしい。 まっそれは、さておいて・・・。 「こんな話し方では、都会の人に笑われる」と予想がつくことなら、まだ、直し様もあるけど、もっと、驚くことがあるのです。 ある日突然、都会の人となった飛騨びとは、高山の人にだけ通用する、そして、都会の人には通じないそんな「名詞」「文章」「いいまわし」の数々があることに気づくのです。何気なく使った言葉に、周りの人の反応が無く、一瞬たって「それどういう意味?」って聞かれた時の戸惑い・・・私自身も、日本の共通の言葉だとばっかり思っていたのに・・・と、絶句したことが何度もありました。 さて、どんな言葉があるのか、私が体験したまま、思いつくまま、お話しましょう。 ☆反対言葉の数々 ・「くる」・・・行く 「いまくるさ」・・・すぐに行くよ ・「いかず」・・・行く ・「やらず」・・・やる 「いらんかな」・・・要りますか? ☆尊敬語の表現 ・「みえる」・・・いらっしゃる 「先生がみえました」「お客様がみえました」 これは絶対標準語だと思ってました。サービス研修の時、社員皆が、敬語として使って、講師の先生を驚かせた逸話あり。 ☆つなぎことば ・「しゃ」、「そしゃ」・・・では、それでは 調理部所属、徳島県出身の福本君は、入社したてのころ、調理補助の女性たちの話が、理解できなかったと言う。「しゃ、やろか」「そしゃ、そやぞ」まじめな顔して聞いたと言う。「『しゃ』って何ですか?」 ★★★いろんなことばの数々★★★
飛騨牛乳のこと 私たちが、毎日飲んでいる飛騨牛乳は、飛騨酪農組合の牛乳です。 保育園から、高校の購買部、スーパー、どこでもでてくる子供の頃からの慣れ親しんだ味です。 初めて、都会に出て、牛乳を飲んだ時に、その味の違いに、びっくりしたのでした。いまでこそ、いろんな牛乳がありますが、そのころの都会の牛乳は、しゃばしゃば、一緒に上京した友人たちも、同じ意見でした。 「高山の牛乳は、おいしいなぁ。飛騨牛乳飲みたいなぁ。」 さて、飛騨牛乳には、いくつか味のバリエーションがあります。 ・普通の白い牛乳 ・コーヒー牛乳 ・オレンジ牛乳 ・パイン牛乳 ・りんご牛乳 この5種類は、定番で、どこの菓子やにも、どこの風呂やでも、売っていました。もちろん瓶でした。たしかりんご牛乳だけは、ビンの形が、六角形のような感じでした。りんごの皮をむいた白とも黄色ともいえない果肉の色の牛乳です。白い牛乳が苦手だった子供の頃の私のお気に入りの牛乳でした。 いまは、紙パックになってしまい、ジュースと同類の扱いになってしまったようで、スーパーの店先に並んでいます。腰に手を当て、ビンに、口をつけて、ぐびっと飲むあの快感は、味わえませんが、牛乳の味は、昔そのままです。 高山駅には、自動販売機もあります。90円です。ちょっと甘くて、なつかしいふるさとの味の牛乳です。ちなみに、白い牛乳は、本陣平野屋でも、朝食時にお出ししています。ぜひ、お楽しみください。 ≪ひそやかな楽しみ≫ 高山の小中学校は、冬になると各教室にストーブが入ります。 そのストーブの上では、たらいに、水を張り、蒸気がでるようにしていました。たらいの中では、いつでもお湯が煮えています。この中に、お昼になると牛乳を入れて、温めて飲むのです。ホットミルクを作ることは、冬になると、各教室で当たり前に行われていました。厳寒地方ならではの、話ですね。 中学3年ともなると、多少悪知恵も付いてきて、クラスの皆で、スティックシュガーや、インスタントコーヒーを、持ち込み、牛乳に混ぜて飲んだことも楽しい思い出です。ただし、これは、牛乳瓶の底の、「混ぜ残し」が、ばれて、先生から大目玉をもらってしまいましたが・・・。
9月21日(日) 場所:飛騨の里