えりちゃん「営業マンになる」の巻
「営業マン」・・・この言葉に、なんとなく近づきがたいものがありました。
どんなところへも、飛び込みで入っていって、物の見事に商談をまとめ売上成績を作り上げる。・・・そんなマンガに出てきそうな人・・これは、気の弱い私には、絶対無理と思ってきました。
かっこいいですよね。キャリアを積んだ女性のスーツ姿。さっそうと、風を切って歩きたい。小脇にブリーフケースでも持ちながら・・でも、私はこう見えても、人見知りするし・・・。
しかし、年齢も年齢になってくると「できません」とは言いにくい・・・
ついに営業にでることになりました。
しかし、方法がわかりません。知り合いもいません。どうすればいいんだろうか?
そこで、まずは、東京に行く時、大阪に行く時、名古屋に行く時、パンフレットを持って歩く事にしました。
あの旅行会社に行きたいとか、あのパンフレットに載りたいとか、夢は広がるばかり・・・。
しかし、現実の厳しさを知りました。とほほほのほ。
大きな会社のエレベーターに乗るだけで、ドキドキ。会社の入口のドアを開けるだけで舞い上がる。担当者を電話で呼び出せと書いてあっても、あせるので、名前が見つからない始末。
さすがに私も落ち込みました。都会には、女性が一人でも入れる「○○-バックス」みたいなところがいくつもあって、時間が潰せるようになっています。そんなところに入って、しばし溜息。
心は向かっているのに、どうも頭が言う事を聞かない・・・。
さすがにこのままじゃ、出張のためのJR代もでやしない。これはどうしたものだろうと、ノー天気な私も考えました。
営業に行くには、表敬訪問だけではダメ。思いつきで行ってはダメ。
何を目的に来たかを明確に示せるようにしよう、相手も暇じゃない。
相手が話を聞いてくれるように、必ず話題を作って行こう、相手の興味のあることを提案しよう。
必ず予習して行こう。一日のコースを決めよう。そう思い直して出かけることにしました。
そのためには、自分の旅館にどんな魅力があるのかを自覚する必要がありました。その魅力を、写真や言葉にしてわかりやすく資料を作らねばなりませんでした。
いま、旅行をする人たちが求めているものは何かを考えないといけませんでした。
日常の中で、私が過ごしているうちの旅館でなく、お客様の目になる・・・。
そしてようやく、本陣平野屋別館と本陣平野屋花兆庵の売り物を作りました。各調理長の努力と協力で、新しい売り物ができました。(下記ページ参照)
かくして私は、そのCDを持って旅行社さんへ売り込みに行ったのでした。
まあ、この頃はようやく道に迷わなくなり、また、のぼせることもなくなり、担当者の方にも名前を覚えていただき、お話ができるようになってきました。
旅館のなにが売り物か、よく考えることができまして、勉強になりました。
私でもやれる方法が、まだあると思いました。少し営業が楽しくなってきたように思います。
さっそくに、企画を組んでくださった方もありました。ようやく数字になって、私の成績が出始めたようです。
わたしは、この年になってもそんなよちよち歩きで、甚だお恥ずかしいのですが、もっと頑張ってみようと思います。次の営業は、なにを組み立てようか考えて、ニヤニヤしているゲンキン者のわたしなのでした。
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