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飛騨高山本陣平野屋 ブログ「飛騨高山から」

 平成9年冬 ―

スキーは、楽し  女将は親友の娘  感謝の気持ち

スキーは、楽し

 高山の冬が長くて厳しいことは、今までにもお話してきました。雪が降っているうちはまだ暖かい。降り止んだらその次の朝が、冷え込みも一層厳しくなるから、「ほっとに寒いなぁ、どもならん。」(本当に寒くて、どうしようもない)という言葉もついでてしまいます。受けて答える人は例によって「そやな、こーわいなぁ」(こわいはこの場合は困ったねという意味ですね。)となります。……また飛騨弁になりました。
  それでも冬が冬らしくある高山の、空気が凛と澄み渡り、空気のかけらまで見えそうなほどの静寂は、他では味わえない魅力だと思います。そう思うと、冬の高山が愛しくなり、そして冬を乗り越えるからこそ、春の喜びにつながります。

<スキーは、楽し>
 飛騨では、冬になると体育でスキーの授業があります。小学校低学年では、学校の校庭でスキーをはいたり、はずしたり、歩いてみたりの練習もあります。が、なんといっても楽しいのは、「スキーの会」です。学校からバスでスキー場へいきます。午前中は各自のレベルにあわせて、班ごとに滑り方の講習を受け、午後は、自由滑りです。自由滑りは、友達同士でリフトに乗ってもいいので、もっと楽しくなります。この一日は、授業というより、レクリエーションという感じです。
  お昼ご飯には、時代の流れがあります。ロッジでカレーライスを食べられるのが今の子供たち、私たちが子供の頃は、おにぎりをもって行きました。そして、そのもっと前は、餅を焼いてのりで巻き、包みを腰に結んで行ったとのこと……こうすると、体温でお餅がカチカチにならないらしい。さてスキーの会は楽しいのですが、学校までスキーを持って行ったり来たりが大変でした。肩にくいこむスキーの板の重さと、手に下げて持つスキー靴の重さに、歩いて15分の道程がとても遠く感じたものです。
  というわけで、私たちにとってスキーは本当に身近なスポーツでしたから、高校をでて東京にいった時、スキーは、リゾートファッションを兼ねるバカンスなのだと初めて知りました。ちょっと驚きでした。

<スキー場情報>
「原山スキー場」唯一市内にある、ファミリーゲレンデです。来ているのは、ほとんど地元の家族づれです。子供にスキーを教える姿をよく見ます。平日は保育園の子供たちがそり遊びにきています。
おまけ「ざぶとんそり」の作り方
 空になったビニールの米ぶくろに学校の座蒲団にいれるスポンジをいれ ビニール縄を持ち手としてかませて端を折り曲げガムテープでぴちりと貼 る。大人もこれで、ひとシーズンは滑れます。これで滑って素直に楽しめ るのが、原山スキー場の良いところ……。

 「朴の木スキー場」高山より乗鞍方面に車で40分、色々なコースとワイドなゲレンデで人気のあるところです。子供も大人も楽しめ、たくさんのロッジも充実しています。(一番右端のロッジ ブリオの「ブリオ丼」が美味しい)
  「モンデウススキー場」高山より名古屋方面に20分、宮村にあります。とてもおしゃれなスキー場として若者に人気があります。
  「その他」流れ葉スキー場、数河スキー場、舟山スキー場などやこれからオープンするスキー場もいくつかあり、高山の回りはスキー場がいっぱいです。

<スキーの思い出>
 子供の頃、原山にはロープリフトなるものがありました。上と下をつないで回転するロープにつかまり、登っていくものです。腰の高さのロープにつかまり、体を曲げる、スキーは予めつけてある溝におくと、どんどん進むはずなのですが、そうはいかないのです。動くロープに体を預けてバランスをとることは結構難しくて、体を腕の力だけでひきあげるので疲れます。リフトの途中でどうしてもバランスがとれなくなって転んでしまい、後から次つぎ来る人に迷惑をかけたこと、忘れられない思い出です。


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女将は親友の娘

高山短期大学理事長  中村 実

 私は、この本陣平野屋 別館 花兆庵の会長、一臣君とは51年にわたる友人であり、今も殆ど毎週、顔を確認する仲である。
 半世紀にわたる付き合いと言うことは、ウマが合うと言うことなのだろうか、日常の環境は何もかも反対に近い。私はお酒は極めて美味しく、お酒の無い此の世なんてとても考えられないのに、彼は商売がサービス業なのに殆ど飲まない。50年の間、彼と飲み屋に行ったことは記憶にない。
 彼は下手ながらゴルフをするが私は全くやらない。私の職業は教育者であり、彼はあまり愛想がよいとは言えないのになぜかサービス業オンリー。私はどちらかといえば背が高いのに彼は小柄。彼は60過ぎてなお頭の毛がふさふさしているのに私は殆ど償却済み。歳ますます私は女性の人気が高いのに、彼がもてたという話は数十年聞いたことがない。私は男の子ばかりなのに、彼は女の子ばかり(一説によれば、何とか男の子をと念じ、努力を重ねている内に4人姉妹が出来たと聞いている)。
 何もかも、私の方が歩がいいと思っているのに、神は時々悪戯をし、何故か唯一共通の趣味である囲碁では、人柄の良い私は彼の品のない手練主管にやられっぱなしで有り、毎週顔を合わせる度に、もう二度と奴の顔など見たくもないと思うのである。
 女の子しか出来なかった彼であるのに、素晴らしい子供たちばかりで、長女が平野屋の女将であり、姉妹の中には女医さんもいると聞いている。その長女である女将が出来の良くない父親に何かと気を使い、優しく世話をやいているのをみていると、嫉妬に近い羨ましさを感じ、俺も娘が欲しいなどと思ってしまう。不愉快な手にやられ、もう二度と奴の顔などみたくないと思っていても、ニコニコと「先生又来てくださいね」などと優しく送り出されると心が安らぐのである。私の友人は顔に似せず極めてワンマンなのに、素晴らしい娘(女将)に恵まれ、そして更に、素晴らしい婿さんを配したのである。その婿殿は、人柄は勿論私の親友よりもはるかに素晴らしいのに、更にお酒も嗜むと知って、一層の親しみを覚えたものである。私も実は「中村もんど(婿殿)」の立場であり、色々苦労のあった経験からも、何とか力になってやりたい、出来れば人柄の悪い年来の友人とは縁を切っても、こちらと親友になりたいとすらおもっている。
 2人の披露宴で私は(理想の婿になるつもりなら私を手本にせよ。もし親父が訳の分からないことをいったらすぐに電話せよ。今時婿はプラチナなみの希少価値であることを教えてやるから)とスピーチした記憶がある。その婿殿も今や社長、ようやくスピーチに効き目が出たかと思っている。憎たらしい碁敵の彼だが実は少しだけ優しいところもあり、たった1つの借り勘定がある。10年ほど前、当時飼っていた柴犬が事故に遭い、ショボンとしていた私を見て、彼が飼っていた同じ柴犬(花子)を弟子が可哀想だから遣るか、などと言いながら私にプレゼントしてくれた。私も家出しなくて済んだが、この花子がまた元の飼い主に似合わず可愛い犬で、家族同様に大切にしている内に大変な誤解をしてしまったようである。彼女は自分は飼い犬ではなく私の女房であると思いこんでいるらしく、私の家内も含めどんな女性が私に触れても唸って怒り出す始末。彼女は今や12歳、老犬の仲間なのですが歳と共にその傾向がはげしくなってきてそれが更に可愛い原因にもなっている。私の碁敵は笑う。犬の散歩とは犬が歩くことだと。しかしどんなに笑われても老齢の花子が可愛いので毎晩夕食後、花子を抱いて町を散歩している。
 夕食後8時頃、高山市街を散策に出られたとき、小型の柴犬を抱いて街を散歩している美男子に気づかれたなら、それは私です。
 是非、声をかけてください。

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感謝の気持ち

 平成9年のカレンダーも残りわずかとなりました。
 たくさんの方にお会いできた喜びと自分はどのくらい成長したのかという 反省と共にあとがきを書いています。
 冬号のためにお忙しい中、書いて下さった中村先生にも感謝、感謝です。
 皆様、今年もありがとうございました。
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平成9年冬

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